PRESSRELEASE プレスリリース

第21038号

医療用医薬品市場調査シリーズVol.3
アレルギー疾患、呼吸器疾患、消化器科疾患治療剤の国内市場を調査
―2028年国内市場予測(2019年比)―
●喘息治療剤・COPD治療剤 2,811億円(15.4%増)
~効果の高い配合剤が好調、生物学的製剤も急速に伸び拡大をけん引~
●網膜疾患治療剤 1,008億円(17.6%増)
~高齢化による患者数の増加、新製品発売により伸びる~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋小伝馬町 社長 清口 正夫 03-3664-5811)は、上位品のジェネリック医薬品への切り替えで減少する治療剤も多い中、喘息治療剤・COPD治療剤がけん引するアレルギー疾患治療剤・呼吸器疾患治療剤、網膜疾患治療剤が堅調な眼科・耳鼻咽喉科疾患治療剤、消化器科疾患治療剤、パンデミック関連抗ウイルス剤・ワクチン製剤、泌尿器科領域の医療用医薬品市場を調査した。その結果を「2020-2021 医療用医薬品データブック No.3」にまとめた。

◆注目市場

●喘息治療剤・COPD治療剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

2,559億円

105.1%

2,811億円

115.4%

近年は高い治療効果が期待できる吸入ステロイド剤や抗コリン剤の配合剤が好調である。吸入ステロイド剤では1日1回服用の製品も登場し、飲み忘れなども防ぎやすくなることから医師からの評価も高く処方が増えている。また、高薬価の生物学的製剤が処方される難治性の患者は限定的であるが、認知度向上により急速に伸びており、市場が拡大している。

2021年、2022年には「テリルジー」や「レルベア」、「アニュイティ」(いずれもグラクソ・スミスクライン)の適応拡大が想定されることから、吸入ステロイド剤の配合剤を中心に市場の拡大が予想される。一方で、2022年と2025年以降に特許切れが予定される治療剤もあり、伸びは徐々に鈍化するとみられる。

●網膜疾患治療剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

867億円

101.2%

1,008億円

117.6%

市場は抗VEGF抗体が中心であり、適応拡大により市場は拡大している。また、2020年5月に発売された「ベオビュ」(ノバルティス ファーマ)は、投与が12週に1回と、既存薬よりも投与間隔が長いことから医師からの期待が高く、今後の市場拡大を後押しするとみられる。

これまで市場をけん引していた治療剤でバイオシミラーの発売が2021年以降に想定されるものの、「ベオビュ」の大型化や複数の新製品発売が期待されること、高齢化に伴って加齢黄斑変性症をはじめとした網膜疾患の患者数の増加が想定されることから市場は拡大が予想される。

◆調査結果の概要

■アレルギー疾患治療剤・呼吸器疾患治療剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

4,917億円

102.1%

5,194億円

107.9%

市場は喘息治療剤・COPD治療剤が50%以上を占めている。近年喘息治療剤・COPD治療剤は配合剤が好調で、高薬価の生物学的製剤も急速に伸びている。次に規模が大きいのは、抗アレルギー剤であるが、上位品でジェネリック医薬品が多数発売されており、減少している。

今後は、配合剤がけん引し喘息治療剤・COPD治療剤が伸びることに加え、抗アレルギー剤もアレルゲン免疫療法剤が新たな患者を掘り起こし緩やかな伸びが期待されることから、特発性肺線維症治療剤やその他呼吸器疾患治療剤は減少するものの、市場はわずかながら拡大していくとみられる。

■眼科・耳鼻咽喉科疾患治療剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

3,327億円

96.5%

3,216億円

93.2%

これまで市場の拡大をけん引してきた緑内障治療剤が、ジェネリック医薬品への切り替えにより2017年をピークに減少に転じた。一方、網膜疾患治療剤が緑内障治療剤の落ち込み以上に伸びたことから2019年まで市場は拡大を続けていた。しかし、網膜疾患治療剤の伸びが鈍化し、2020年は市場が縮小するとみられる。

今後は、網膜疾患治療剤が引き続き伸びていくとみられるが、緑内障治療剤のジェネリック医薬品への切り替えによる減少は続き、長期的には市場は縮小が予想される。

■消化器科疾患治療剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

5,568億円

101.6%

5,545億円

101.2%

消化性/薬物性潰瘍等治療剤・H.pylori関連剤、胃食道逆流症等治療剤、炎症性腸疾患治療剤(潰瘍性大腸炎、クローン病、ベーチェット病)の規模が大きい。2020年は消化性/薬物性潰瘍等治療剤・H.pylori関連剤や胃食道逆流症等治療剤は減少するものの、新製品発売や適応拡大、ジェネリック医薬品の影響が少ない過敏性腸症候群治療剤・機能性ディスペプシア治療剤、炎症性腸疾患治療剤、腸疾患治療剤・便秘症治療剤・消化器官改善剤、その他肝疾患治療剤(肝性脳症治療剤含む)が堅調で、市場は拡大するとみられる。

炎症性腸疾患治療剤を除けば、主だった開発品がみられず、上位品でジェネリック医薬品が発売されることで減少に転じる治療剤も多いとみられ、市場はほぼ横ばいが予想される。

■パンデミック関連抗ウイルス剤・ワクチン製剤

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

僅少

5,956億円

5956.0倍

2013年に抗マラリア薬が発売されたが、マラリアは国内で流行しておらず、予防投与を中心とした市場であることから規模としては小さい。2020年は新型コロナウイルス感染症流行の影響により海外渡航者がほとんどいないことから、僅少が見込まれる。

2021年から2023年にかけてCOVID-19治療剤および新型コロナウイルスワクチンの発売により市場は一気に拡大し、2028年にはCOVID-19治療剤は920億円、新型コロナウイルスワクチンは5,000億円が予測される。また、海外渡航者数の回復やデング熱ワクチンの発売などによりその他製剤も緩やかながら拡大が予想される。

■泌尿器科領域

2020年見込

前年比

2028年予測

2019年比

1,638億円

98.3%

1,341億円

80.5%

市場は、過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤と前立腺肥大症治療剤の構成比が高い。過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤はβ3アドレナリン受容体作動剤の好調により2020年に大きく伸びているが、前立腺肥大症治療剤は上位品の多くでジェネリック医薬品が発売されていることや薬価改定により減少している。

今後は、抗コリン剤からβ3アドレナリン受容体作動剤への処方シフトにより過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤の減少は緩やかなものの、長期的には過活動膀胱・神経因性膀胱治療剤、前立腺肥大症治療剤ともに、新規成分による後期開発品が見当たらないことから、市場は縮小が続くとみられる。

◆調査対象

アレルギー疾患治療剤・呼吸器疾患治療剤

・抗アレルギー剤(点眼剤、外用剤は

・喘息治療剤・COPD治療剤

・その他呼吸器疾患治療剤(鎮咳・

除く、アレルゲン免疫療法剤含む)

・特発性肺線維症治療剤

去痰剤、呼吸促進剤、禁煙補助剤)

眼科・耳鼻咽喉科疾患治療剤

・緑内障治療剤

・網膜疾患治療剤

 

・角結膜上皮障害治療剤・ドライアイ

・その他眼科疾患治療剤

 

治療剤

・耳鼻科用剤

 

消化器科疾患治療剤

・消化性/薬物性潰瘍等治療剤・

・炎症性腸疾患治療剤

・その他肝疾患治療剤

H.pylori関連剤

(潰瘍性大腸炎、クローン病、

(肝性脳症治療剤含む)

・胃食道逆流症等治療剤

ベーチェット病)

・膵疾患治療剤・胆道疾患治療剤

・過敏性腸症候群治療剤・機能性

・腸疾患治療剤・便秘症治療剤・

 

ディスペプシア治療剤

消化器官改善剤

 

パンデミック関連抗ウイルス剤・ワクチン製剤

泌尿器科領域


2021/03/31
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