PRESSRELEASE プレスリリース

第22037号

機能性表示食品 、特定保健用食品などの国内市場を調査
―2021年市場見込(2020年比)―
■機能性表示食品 4,418億円(23.8%増)
~コロナ太りを気にする消費者が増加したことで脂肪対策商品を中心に市場拡大~
●免疫機能維持商品 125億円(7.4倍)
~免疫機能に関するヘルスクレームの商品が発売されたことで市場が立ち上がり、急拡大~
●ストレス緩和・睡眠サポート商品 365億円(47.8%増)
~外出自粛の長期化に伴う、生活リズムの乱れや在宅におけるストレス対策として伸長~

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫 03-3241-3470)は、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)の国内市場を調査した。その結果を「H・Bフーズマーケティング便覧 2022 No.3 機能性表示別市場分析編」にまとめた。

この調査では、保健機能食品について、免疫機能維持や脂肪(低減)などのヘルスクレーム(健康表示)別や、生活習慣病予防やストレス緩和・睡眠サポートなどの訴求効能別、成分別に分類し、市場の現状を捉えた。

◆調査結果の概要

■機能性表示食品の国内市場

 

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

明らか食品

342億円

121.7%

372億円

132.4%

ドリンク類

2,215億円

133.0%

2,408億円

144.5%

サプリメント

1,861億円

114.7%

1,975億円

121.8%

合 計

4,418億円

123.8%

4,754億円

133.2%

※市場データは四捨五入している

機能性表示食品は2015年に制度が開始され、2016年には1,000億円に到達した。その後も新商品の発売が相次ぎ、市場拡大が続いている。

2020年は、新型コロナ流行の影響によりコロナ太りを気にする消費者が増加したことで脂肪対策商品を中心に需要が増加し、ドリンク類やサプリメントが大幅に伸長した。特に、2019年に機能性表示食品としてリニューアルされた伊藤園「お~いお茶 濃い茶」が通年販売となり好調だったことから市場は前年よりも高い伸びとなったため、特定保健用食品の市場規模を上回った。2021年は「お~いお茶 濃い茶」の続伸に加え、ヤクルト本社が2019年に関東地区限定で発売した「Yakult1000」が全国販売となったこともあり、市場は二桁増が予想される。

種類別では、制度開始当初は商品数が多かったことから、サプリメントの構成比が最大であった。しかし、「お~いお茶 濃い茶」などドリンク類が大幅に伸長し、2020年にはサプリメントの市場を上回った。2021年もドリンク類が最大の構成比を維持するとみられる。

訴求効能別では、生活習慣病予防が市場の約5割を占める。脂肪やコレステロール、高血糖値、血圧、認知機能訴求など健康食品の主なターゲット層である中高年に需要の高い訴求の商品が展開されている。新型コロナ流行後は、これらの数値を気にする幅広い消費者から需要が高まっている。骨・関節・筋肉サポートは、生活習慣病予防に次ぐ構成比である。サプリメントが中心であり、60代以上の高齢者からの需要を獲得し、伸長している。

■特定保健用食品の国内市場

 

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

明らか食品

1,049億円

101.1%

1,050億円

101.2%

ドリンク類

1,906億円

93.1%

1,854億円

90.6%

サプリメント

131億円

98.5%

131億円

98.5%

合 計

3,086億円

95.9%

3,035億円

94.3%

特定保健用食品は、乳酸菌飲料やヨーグルト、ドリンクヨーグルトを中心に市場拡大してきたものの、機能性表示食品の商品数増加に伴い、徐々に需要がシフトしている。また、好調だったヨーグルトがブームの沈静化によって2016年頃に需要が頭打ちとなったこともあり、2018年に市場は縮小に転じた。

2020年は、新型コロナの感染拡大に伴いコロナ太り対策需要の増加や腸管免疫の認知向上などがみられたものの、価格訴求や複合ヘルスクレームによる機能訴求、企業の注力シフトなどから需要を獲得した商品は一部に限られ、機能性表示食品への需要シフトが加速し、市場は縮小した。2021年は、ガムなどで需要が回復する商品がみられる一方、機能性表示食品へのシフトが続いていることもあり、続落が予想される。

◆注目市場

●生活習慣病予防【訴求効能】

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

3,433億円

108.6%

3,549億円

112.2%

生活習慣病予防を訴求効能とする保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)を対象とする。

生活習慣病予防は特定保健用食品が市場をけん引してきたものの、2015年の制度開始以降、ドリンク類を中心に機能性表示食品が相次いで発売され、特定保健用食品から需要がシフトしている。2020年は脂肪(低減)をヘルスクレームとする商品が、コロナ太りを気にする消費者の需要を捉えたほか、2019年に機能性表示食品としてリニューアルされた「お~いお茶 濃い茶」の好調により、機能性表示食品が特定保健用食品を上回った。2021年は、引き続き脂肪(低減)をヘルスクレームとする商品の需要が増加しており、市場は前年比8.6%増が見込まれる。

●ストレス緩和・睡眠サポート【訴求効能】

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

365億円

147.8%

413億円

167.2%

ストレス緩和・睡眠サポート訴求効能とする保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品)を対象とする。

2015年に機能性表示食品制度が開始され、“ストレス緩和"や“睡眠改善"といったヘルスクレームが可能となったことで、機能性表示食品の新商品発売が相次ぎ、市場は拡大している。

2020年は、新型コロナの感染拡大に伴う外出自粛の長期化により、生活リズムの乱れや在宅におけるストレス増加などで需要が高まり、市場は前年比34.2%増となった。また、ヤクルト本社が機能性表示食品である「Yakult1000」の販売エリアを広げたことも、市場拡大に寄与した。2021年は、「Yakult1000」が全国販売となったことに加え、シリーズ商品である「Y1000」が発売され、ドリンク類やサプリメントを中心に需要増が続いていることから市場は前年よりも高い伸びになるとみられる。

●免疫機能維持【ヘルスクレーム】

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

125億円

7.4倍

159億円

9.4倍

免疫機能維持をヘルスクレームとする特定保健用食品、機能性表示食品を対象とする。ヘルスクレームの一例は、「健康な人の免疫機能の維持をサポート」「免疫アシスト」である。

2020年にキリンビバレッジが機能性表示食品「キリン iMUSE」シリーズを発売したことで、市場が立ち上がった。新型コロナの感染拡大以降、ワクチンなどの対抗策がない中で、個人の感染予防や体調管理が主な対処方法であり免疫力向上が期待できる食品などが連日メディアで取り上げられた。機能性表示食品として「キリン iMUSE」シリーズが発売されたのは11月と、特需が収まりつつある時期であったものの、積極的なプロモーションによる認知拡大によって需要を獲得し、その後もグループ企業を含めた商品展開や素材の外販によって好調を維持していることなどから、2021年も続伸するとみられる。

●脂肪(低減)【ヘルスクレーム】

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

1,664億円

110.2%

1,717億円

113.7%

脂肪(低減)をヘルスクレームとする特定保健用食品、機能性表示食品を対象とする。ヘルスクレームの一例は、特定保健用食品では「体脂肪を減らすのを助ける」、機能性表示食品では「体脂肪を減らす」「体重・体脂肪を減らす」である。

脂肪(低減)は“脂肪を減らすのを助ける"という具体的な表示が可能な点から特定保健用食品の中でも代表的なヘルスクレームとして多くのヒット商品が生み出されてきた。2015年に機能性表示食品制度が開始され、市場はさらに活性化している。

2020年は機能性表示食品としてリニューアルされた「お~いお茶 濃い茶」の好調などが市場拡大に寄与し、前年比21.1%増となった。2021年はダイエットや生活習慣病予防への意識が高まる中、脂肪(低減)は消費者の需要にマッチしたヘルスクレームであることから市場は二桁増を維持するとみられる。特に、ヨーグルトやドリンクヨーグルト、ビネガードリンク、ノンアルコールビール・ドリンクなどは、口にするなら少しでも健康に良いものを取り入れたいというライトな健康志向需要を獲得している。

●乳酸菌【成分】

2021年見込

2020年比

2022年予測

2020年比

1,841億円

109.6%

1,892億円

112.7%

乳酸菌を関与成分とした特定保健用食品、機能性表示食品を対象とする。

乳酸菌配合訴求商品は、2020年以降は従来の腸内環境訴求に加え、睡眠やストレス、紫外線対策といったヘルスクレーム商品が発売され、新型コロナの感染拡大によって健康意識が高まったことなどを背景に市場は拡大している。2021年は、前年に発売された免疫機能維持をヘルスクレームとした機能性表示食品である「キリン iMUSE」シリーズの好調により、ドリンク類が大幅に伸長し、市場は前年比9.6%増が見込まれる。

*富士経済H・Bフーズの定義

H・Bフーズは、健康(Health)維持増進・回復目的や美容(Beauty)目的で飲食する食品。即ち、何らかの効能・効果(機能性)を期待できる食品、および、期待されるイメージをもつ食品。法的区分上、医薬品・医薬部外品扱いのものは対象としない。

 

*同H・Bフーズの分類

全体を機能志向食品と健康志向食品の2分野に分けた。機能志向食品は味覚より機能を重視した、一般用医薬品との競合が予想される商品。健康志向食品は機能よりも味覚を重視した、一般加工食品との競合が予想される商品。

さらにこの2分野を以下のように4つに区分した。

(1)機能志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧 No.1」に掲載)

●サプリメント:(財)日本健康・栄養食品協会で定めるJHFA規格品に加え、規格外の健康食品でも違法性が明らかな成分を使用していないものも対象とした。

●シリーズサプリメント:サプリメントのうちビタミン・ミネラル類などのアイテムを各種取り揃えたシリーズ展開のサプリメント(剤型は医薬品的形状が主体)を「シリーズサプリメント」と呼称する。

(2)健康志向食品(「H・Bフーズマーケティング便覧 No.2」に掲載)

●明らか食品:一般加工食品と呼ばれる「通常の形態をした、日常的に食べられる食品」に機能成分を添加、強化して、商品の機能性を訴求する食品群を対象とした。

●ドリンク類:明らか食品で飲料分野に属するものは、(医薬品/新・医薬部外品のドリンク剤と区分するために)本調査では「ドリンク類」と呼称する。

 

*「保健機能食品」とH・Bフーズの関係

特定保健用食品は、何らかの機能性(特定保健目的)を有しているため全てH・Bフーズの対象に含め、栄養機能食品は、機能性を訴求している商品のみをH・Bフーズの対象とした。また、機能性表示食品は加工食品のみをH・Bフーズの対象とし、生鮮食品は対象外とした。

◆調査対象

保健機能食品別

特定保健用食品

栄養機能食品

機能性表示食品

ヘルスクレーム別

・腸内環境

・認知(記憶)

・脂肪(吸収抑制)×

・ストレス緩和×睡眠×

・便通改善

・認知

 糖(吸収抑制)

 腸内環境

・腸内環境・便通改善

・膝関節

・脂肪(低減)×脂肪(吸収

・脂肪横断

・脂肪(低減)

・骨

 抑制)×糖(吸収抑制)

・糖横断

・脂肪(吸収抑制)

・疲労感軽減

・脂肪(吸収抑制)×

・血圧横断

・糖(吸収抑制)

・睡眠

 糖(吸収抑制)×血圧

・認知横断

・コレステロール

・免疫機能維持

・脂肪(低減)×

・ストレス緩和横断

・血圧

 

 認知(記憶)

 

成分別

・乳酸菌

・ビフィズス菌

・サラシア

 

・食物繊維

・DHA・EPA

・葛の花由来イソフラボン

 

・カテキン

・GABA

・ブラックジンジャー

 

. 機能性表示食品における生鮮食品・惣菜

・生鮮食品・惣菜

機能性表示食品におけるPB

・PB(プライベートブランド)

訴求効能別

・滋養・強壮

・スポーツサポート

・骨・関節・筋肉サポート

・ストレス緩和・睡眠サポート

・肝機能改善

・生活習慣病予防

・貧血予防・改善

・グリーンチャージ

・美容効果

・血行促進

・オーラルケア

 

・整腸効果

・免疫対策

・アイケア

 

・ダイエット

・栄養バランス

・マルチバランス

 


2022/04/12

上記の内容は弊社独自調査の結果に基づきます。 また、内容は予告なく変更される場合があります。 上記レポートのご購入および内容に関するご質問はお問い合わせフォームをご利用ください、 報道関係者の方は富士経済グループ本社 広報部(TEL 03-3241-3473)までご連絡をお願いいたします。