PRESSRELEASE プレスリリース
■SiCウエハーの世界市場 6,195億円(4.3倍)
今後も市場は拡大。ただし、単価下落により拡大幅は鈍化
総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、AIや再生可能エネルギーなどの普及に伴いパワー半導体の用途が多岐にわたるようになったことで、需要の増加と多様化が進んでいるパワー半導体向けウエハーの世界市場を調査した。その結果を「2025年版 パワーデバイス向けウェーハ市場の最新動向・技術トレンド」にまとめた。
この調査では、パワー半導体向けウエハー8品目を対象に、市場の動向やトレンド、技術課題・方向性、製品展開・開発状況を把握し、将来を展望した。また、主要パワー半導体メーカーのウエハー調達・アライアンス動向、ウエハーメーカーの設備投資動向なども整理した。
◆注目市場
1.SiCウエハーの世界市場

SiCウエハーは、絶縁破壊電界強度に加えて、熱伝導性や電力変換などの性能面においても、シリコンウエハーを上回る特性をもつ。ここでは、パワー半導体向けに外販されるベアウエハーを対象とした。
2024年は、SiCパワー半導体の需要鈍化の影響を受けたものの、中国ウエハーメーカーを中心に販売が増加したことから、販売数量(㎡)は前年比81.9%増となった。一方、中国ウエハーメーカーによる安価な製品の販売が増えたことで、6インチウエハーの単価が下落し、市場は同46.1%増にとどまった。2025年は、パワー半導体メーカーがSiCパワー半導体8インチラインの設備投資を先送りにしていることなどにより、販売数量(㎡)、市場は、共に前年比20%増程度にとどまるとみられる。今後は、8インチウエハーの販売増加による市場拡大が予想される。ただし、中国ウエハーメーカーが安価なウエハーを展開していることから単価が下落しており、販売数量(㎡)は順調に伸びるものの、市場は販売数量(㎡)ほどの伸びにはならないと予想される。
現状では、4インチ、6インチ、8インチのウエハーが展開されているが、6インチウエハーが販売数量(枚数)の9割以上を占める。主要パワー半導体メーカーが6インチウエハーによる生産を行っているため、今後も6インチウエハーが中心になるとみられる。4インチウエハーは、中国など一部エリアでの展開であるため引き続き減少し、8インチウエハーは、中国などで外販が始まっているため2026年以降急激に増加すると予想される。
2.次々世代半導体ウエハー

次々世代半導体ウエハーとして、ダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーの開発が進められている。
ダイヤモンドウエハーは、単結晶ウエハーやヘテロエピ成長によるウエハーの開発が進められており、2026年から市場が立ち上がると予想される。現状は1インチウエハーや15mm角の単結晶ウエハーの開発が進められているが、ウエハーメーカー各社は2インチウエハーの早期実用化を目標に掲げている。2インチウエハーの実用化によって、ダイヤモンドパワー半導体の市場形成が加速するとみられる。窒化アルミニウムウエハーは、4インチウエハーのサンプル出荷が既に開始されており、使用可能領域も拡大していることから、今後の本格量産が期待される。二酸化ゲルマニウムウエハーは、6インチエピウエハーの展開が予定されており、2030年にかけて販売が開始されるとみられる。
◆調査結果の概要
シリコンウエハー市場は、シリコンパワー半導体市場に連動して2024年は縮小したが、2025年以降は堅調な拡大が予想される。SiCウエハー市場は2024年にシリコンウエハーの市場規模を上回った。欧米を中心としたEV化の失速、中国メーカーの台頭による単価の下落が懸念されるものの、今後も拡大が予想される。GaN単結晶ウエハー市場や酸化ガリウムウエハー市場は、6インチウエハーの実用化により拡大が予想される。ダイヤモンドウエハー、窒化アルミニウムウエハー、二酸化ゲルマニウムウエハーといった次々世代ウエハーは、開発が進められていることから今後の市場形成が期待される。
◆調査対象
ウエハー・シリコンウエハー
・SiCベアウエハー
・SiCエピウエハー
・GaNウエハー
・酸化ガリウムウエハー
・ダイヤモンドウエハー
・窒化アルミニウムウエハー
・二酸化ゲルマニウムウエハー
事例分析
・主要ウエハーメーカー6社
