PRESSRELEASE プレスリリース

第25056号

国内医療用医薬品市場の調査結果 第一弾
膠原病・整形、皮膚、アレルギー疾患・呼吸器などの領域を調査
― 2040年市場予測(2024年比) ―
■アトピー性皮膚炎治療剤  2,217億円(75.4%増)
処方の浸透、適応拡大、開発品の発売などにより拡大。
長期的には後発品の影響などにより縮小へ

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 菊地 弘幸 03-3241-3470)は、国内の医療用医薬品市場を網羅する調査を開始した。調査は4回に分けて実施し、初回は膠原病・整形、消化器、皮膚、アレルギー疾患・呼吸器、疼痛の5領域における医療用医薬品市場を調査した。その結果を「2025年版 医療用医薬品フォーキャストデータ No.1」にまとめた。

この調査では、5領域の医療用医薬品市場について、薬効分類別、医薬品区分別に現状を把握し、開発品や政策の動向、パテントクリフなどを加味して2040年まで展望した。

◆注目市場

1.アトピー性皮膚炎治療剤

アトピー性皮膚炎治療剤市場

アトピー性皮膚炎治療剤は、生物学的製剤や外用副腎皮質ステロイド剤、JAK阻害剤、非ステロイド系治療剤で構成される。

2018年に生物学的製剤である「デュピクセント」(サノフィ)が発売されて以降、JAK阻害剤の「コレクチム」(鳥居薬品)や「オルミエント」(日本イーライリリー)、「リンヴォック」(アッヴィ)をはじめ、非ステロイド系治療剤の「ブイタマー」(鳥居薬品)など多くの新薬が立て続けに発売され市場は拡大している。「デュピクセント」をはじめ、「コレクチム」や「リンヴォック」など多数の製品が処方の浸透により伸長しており、新たな適応拡大も複数みられることから、2025年の市場は前年比15.9%増が見込まれる。

今後、短期的には、製品間の競合が熾烈になる中、「リンヴォック」、「ブイタマー」などが高い伸びを示すとみられる。特に、「ブイタマー」は2歳以上を対象とした臨床試験がフェーズⅢにあり、適応拡大となればさらに市場を押し上げると予想される。また、「M6100」(マルホ)や「amlitelimab」(サノフィ)など開発品の発売も期待される。市場は断続的な既存製品の特許切れ/ジェネリック医薬品の発売や、薬価引き下げの影響を受けながら2035年ごろまで拡大し、以降縮小に転じると予想される。

2.喘息治療剤・COPD治療剤

喘息治療剤・COPD治療剤市場

喘息治療剤・COPD治療剤は、生物学的製剤や2剤配合剤、3剤配合剤、ロイコトリエン受容体拮抗剤などで構成される。

市場は近年、「ヌーカラ」(グラクソ・スミスクライン)や「デュピクセント」(サノフィ)をはじめとした生物学的製剤と「テリルジー」(グラクソ・スミスクライン)を中心とした3剤配合剤がけん引し拡大している。2025年も薬価引き下げやジェネリック医薬品の影響を受けつつも、堅調に拡大するとみられる。伸長を続けてきた「デュピクセント」も2024年11月に市場拡大再算定により薬価が引き下げられたが、伸びを維持する。

今後も生物学的製剤や3剤配合剤の伸長が続くとみられる。また、「デュピクセント」がCOPDの適応を申請中であり、3剤配合剤では「ビレーズトリ」(アストラゼネカ)が気管支喘息の適応でフェーズⅢの段階にあることからこれらの適応拡大承認、さらに、現在ある多数の開発品の段階的発売が市場を押し上げると期待される。市場は薬価引き下げなどの影響を受けつつも2035年頃まで拡大が続き、以降ほぼ横ばいが予想される。

◆調査結果の概要

■領域別医療用医薬品市場

領域別医療用医薬品市場

膠原病・整形領域の市場は、2025年から2027年まで微増し、2028年以降微減が予想される。関節リウマチ治療剤と骨粗鬆症治療剤、全身性エリテマトーデス治療剤の伸びが微増を支える。関節リウマチ治療剤は、「オルミエント」(日本イーライリリー)や「リンヴォック」(アッヴィ)などといったJAK阻害剤の処方浸透が進み、2025年、2026年と微増する。骨粗鬆症治療剤は、シェア上位の「イベニティ」(アステラス製薬)、「プラリア」(第一三共)、「テリボン」(旭化成ファーマ)がけん引し、2027年まで前年比プラスとなるが、以降は後発品の影響を受けマイナス推移となる。2030年以降は現在主力である製品の後発品の発売も予想される。

消化器領域の市場は、微減傾向が続くと予想される。市場の3割強を炎症性腸疾患治療剤、3割弱を消化性/薬物性潰瘍等治療剤・H.pylori関連剤が占める。炎症性腸疾患治療剤は市場縮小しているが、JAK阻害剤の「リンヴォック」や「ジセレカ」(エーザイ)、抗IL-23p19抗体製剤の「スキリージ」(アッヴィ)や「オンボー」(持田製薬)の処方浸透により2030年頃まで伸長する。以降は市場拡大再算定などで大幅な薬価引き下げの対象となっている製品が多く、バイオシミラー台頭の影響を受ける。消化性/薬物性潰瘍等治療剤・H.pylori関連剤と胃食道逆流症等治療剤では、シェア上位の「タケキャブ」(武田薬品工業)が、OD錠の剤形追加により処方数を伸ばしている。同じくシェア上位の「ネキシウム」(アストラゼネカ)は、オーソライズドジェネリックが発売されているため、処方を希望すると追加費用が発生する選定療養の影響も大きく、減少している。

皮膚領域の市場は、アトピー性皮膚炎治療剤、乾癬治療剤などを中心に2035年頃まで拡大が続くと予想される。アトピー性皮膚炎治療剤は、多数の製品が伸びており開発品も複数あることから、2035年頃まで伸長が続く。

アレルギー疾患・呼吸器領域の市場も2035年頃まで拡大が続くと予想される。市場の約半数を喘息治療剤・COPD治療剤が占めている。喘息治療剤・COPD治療剤は、生物学的製剤や3剤配合剤を中心に伸びている。市場の約3割を占める抗アレルギー剤は、「ビラノア」(大鵬薬品工業、Meiji Seikaファルマ)をはじめ、「シダキュア」や「ミティキュア」(いずれも鳥居薬品)の伸びにより2030年頃まで伸長する。

疼痛領域の市場は、2030年頃まで微増が続くと予想される。慢性疼痛治療剤では、「タリージェ」(第一三共)が500億円超規模のブランドに成長し、「ツートラム」(日本臓器製薬)と共に伸長をけん引している。片頭痛治療剤は、抗CGRP抗体の「エムガルティ」(第一三共)、「アイモビーグ」(アムジェン)、「アジョビ」(大塚製薬)の処方浸透が進んでおり、2026年頃には経口剤のCGRP受容体拮抗剤2製品の発売が期待されることから伸長を続ける。

◆調査対象

膠原病科・整形外科
・全身性エリテマトーデス治療剤
・関節リウマチ治療剤
・強直性脊椎炎治療剤・若年性特発性関節炎治療剤
・骨粗鬆症治療剤
・変形性関節症治療剤

消化器
・消化性/薬物性潰瘍等治療剤・H.pylori 関連剤
・胃食道逆流症等治療剤
・過敏性腸症候群治療剤・機能性ディスペプシア治療剤
・炎症性腸疾患治療剤
・腸疾患治療剤
・その他肝疾患治療剤
・膵疾患治療剤・胆道疾患治療剤

皮膚
・アトピー性皮膚炎治療剤
・乾癬治療剤
・脱毛症治療剤
・外用抗菌剤
・にきび治療剤
・爪白癬治療剤
・皮脂欠乏症治療剤・皮膚軟化剤
・その他皮膚治療剤

アレルギー疾患・呼吸器
・抗アレルギー剤
・特発性肺線維症治療剤
・喘息治療剤・COPD治療剤
・その他呼吸器疾患治療剤

疼痛
・慢性疼痛治療剤
・片頭痛治療剤
・がん疼痛治療剤
・その他疼痛治療剤


2025/6/2
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