PRESSRELEASE プレスリリース

第26056号

AI関連など、先端半導体デバイスの世界市場を調査
― 2031年世界市場予測(2025年比) ―
◆半導体デバイス15品目 224.0兆円(2.3倍)
・AI関連 130.0兆円(4.4倍)  ・その他 94.0兆円(43.1%増)
AIやデータセンターに関連する製品が市場をけん引
●HBM 49.7兆円(12.1倍)
AIサーバーの需要増加、性能向上に伴う単価上昇で拡大
メーカーが優先的に設備投資を進め伸びが続く

マーケティング&コンサルテーションの株式会社富士キメラ総研(東京都中央区日本橋 代表取締役 稲葉 視朗 03-3241-3490)は、日本でも日本メーカーへの出資や海外メーカーの工場誘致が進むなど、生成AIの利用拡大によりデータセンター向けサーバーなどで需要が急増している半導体デバイスの世界市場を調査した。その結果を「2026 先端/注目半導体関連市場の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では、生成AI、エッジAI、DX・GXを実現する先端/注目半導体デバイス15品目をはじめ、半導体関連材料14品目、半導体関連装置3品目、その他部品材料3品目、主要アプリケーション4品目について最新の動向をまとめ、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■半導体デバイス15品目の世界市場

半導体デバイス15品目の世界市場

AI及びデータセンター関連の活発な投資が半導体デバイス市場の成長に直結しており、関連の深いサーバー向けCPU、AIアクセラレーターチップ、データセンター向けスイッチIC、SSDコントローラー、各種メモリーが市場をけん引している。2026年の市場は、前年比6割以上の大幅増が見込まれる。特に供給不足によるメモリーの価格高騰が市場を押し上げている。

市場は中長期的にメモリー市場の動向に左右されるとみられる。メーカーの設備投資によって、メモリーの供給不足は2028年頃に解消される見通しであり、その際に単価が2025年の水準まで下がり、メモリー市場が縮小することで、2020年代後半には半導体デバイス市場も一時的にほぼ横ばいになると予想される。

AI半導体デバイスは、データセンター向けで伸びているAIサーバーに搭載される製品を対象とする。市場はサーバー向けCPU、AIアクセラレーターチップ、データセンター向けスイッチIC、HBMの合計であり、サーバー向けCPUはAIサーバー向け製品のみ、データセンター向けスイッチICはAIサーバーシステムネットワークに採用される製品のみを対象とする。
市場は、メモリー価格の影響で鈍化する年があるものの、一貫して伸びが続くとみられ、AIアクセラレーターチップやHBMがけん引していく。AIアクセラレーターチップはハイエンドGPU向けのニーズが旺盛であり、性能向上に伴って製品単価も上昇し市場を押し上げるとみられる。HBMはDRAMの一種で、AIの普及や性能向上に向けた需要増加で急拡大している。

生成AIを始めとするAI関連サービスの機能向上や普及拡大に向けてAI・データセンター関連の旺盛な投資が続くためAI半導体デバイス市場は拡大が続き、全体に占める比率は2025年の3割強から、2031年には6割弱まで上昇すると予想される。

◆注目市場

●メモリー(DRAM、HBM、NAND)

メモリー(DRAM、HBM、NAND)

AI関連製品はメモリーを大量に必要とすることから、需要が急速に高まっている。しかし、メモリーメーカー各社は過去のシリコンサイクルの経験から設備投資には非常に慎重であり、2026年は供給不足により価格が高騰している。今後DRAM(DDR)、NANDの供給能力が増強されることで需給バランスが正常化し、2028年頃には2025年の価格水準に落ち着くとみられる。

【DRAM】

2026年の市場は、価格高騰のため前年比3倍近くまで伸びると見込まれる。ただし、メモリー価格の高騰はスマートフォンやノートPC市場の低迷を招いており、容量ベースの伸びは抑制され同10%程度の見込みである。需給バランスは2027年後半以降に改善し、価格も2025年頃の水準に戻るため2020年代後半の市場はマイナス推移が予想されるが、その間もサーバーを始めとするアプリケーション市場の拡大と、搭載容量の増加によって容量ベースでは伸びが続くとみられる。

【HBM】

複数のDRAMチップを縦方向に積み重ねて、一つのパッケージ内に収めたものである。基本的な原理はDRAMと同じであるが、高帯域幅を持ち大容量のデータ通信が行えるため高速処理を必要とするAIサーバー向けのアクセラレーターボードで主に利用される。

AIサーバーの需要拡大と高性能化の進展に伴い、市場は急速に拡大している。2026年はメモリー全体が供給不足となっているが、DRAMメーカーはHBM製造の設備投資を優先的に行っているため、供給不足には陥らないとみられる。生成AIを始めとするAI関連の投資拡大に伴い、今後もHBMの投資が優先されることや、AIアクセラレーターチップの高性能化に伴いアクセラレーターボード1台当たりのHBM使用量が増加することにより市場は順調に拡大すると予想される。

【NAND】

SSDの主要部品であり、データセンター向けAIサーバー関連で、1サーバー当たりのSSD容量が増加していることなどから需要が増加している。スマートフォンなどに用いられるMobile NANDも一定の規模があるが、2026年はサーバー向けを中心としたE-SSD(Enterprise SSD)用途が数量ベースで5割を超えるとみられる。ハイパースケーラーを中心としてE-SSDの需要が旺盛であるが、2026年時点では複数の参入メーカーがHBM製造の設備投資を優先的に行っている影響でNANDの増産は難しいとみられる。そのため数量ベースの伸びは抑制されているものの、価格高騰によって市場は前年比2.5倍以上伸びるとみられる。今後再度製造設備投資に踏み切るメーカーが増加し、供給不安解消、価格安定に向かうと予想される。

●AIアクセラレーターチップ

AIアクセラレーターチップ

CPUが得意としない並列処理を行うICであり、AIサーバー向けにパッケージ化された製品を対象としている。AIブームに伴って急速に需要が増加している。

2026年時点ではLow CTEガラスクロスを始めとするFC-BGA基板部材の供給不足で伸びが抑えられているが、2027年後半に部材の調達難が解消し、市場は大幅拡大が予想される。また、2027年にはHBMを搭載しない推論用AIアクセラレーターチップの増加、クラウドベンダーによる内製製品の増加、中国メーカー製品の増加が進むと想定されることから、ローエンドからミドルレンジ製品が特に伸びるとみられる。

将来的に、AIアクセラレーターチップ1パッケージ当たりに搭載可能なロジックチップや、HBM搭載数量の増加により単価が上昇するため、市場は高い伸びが続くと予想される。

●データセンター向けスイッチIC

データセンター向けスイッチIC

データセンターの上層部ネットワーク接続通信機器であるスイッチ機器を制御するICを対象とする。

近年のAIサーバーは、ラック内のAIアクセラレーターチップ同士をラック内スイッチで全て接続するラックスケールAIシステムへのシフトが進んでおり、より多くのスイッチが必要とされていることから、AIサーバーの増加に伴って大幅な拡大が期待される。

また、スイッチICの高速化に伴って製品単価が上昇していることや、通常のスイッチICよりも非常に高価なCPO搭載製品の増加により、2031年の市場は2025年の8倍以上に拡大するとみられる。

◆調査対象

主要アプリケーション
・サーバー
・PC
・スマートフォン
・自動車

半導体デバイス
・サーバー向けCPU
・PC向けCPU
・GPU
・AIアクセラレーターチップ
・データセンター向けスイッチIC
・モバイル機器向けSoC
・SSDコントローラー
・DDIC
・マイコン
・DRAM
・HBM
・NAND
・IGBT
・パワーMOSFET
・イメージセンサー
*サーバー向けCPU、AIアクセラレーターチップ、*データセンター向けスイッチIC、HBMの合計をAI向けとして集計(*の品目は市場の一部のみ対象)

半導体関連材料
・シリコンウエハー
・フォトマスクブランクス
・フォトマスク
・ペリクル
・ターゲット材
・半導体用めっき薬液
・再配線用めっき薬液
・フォトレジスト(g線・i線)
・フォトレジスト(KrF・ArF)
・フォトレジスト(EUV)
・CMPスラリー
・バックグラインドテープ
・ダイシングテープ
・ダイアタッチフィルム

半導体関連装置
・露光装置
・ドライエッチング装置
・スパッタリング装置

その他部品材料
・プローブカード
・ICソケット
・静電チャック


2025/5/21
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