PRESSRELEASE プレスリリース

第22061号

半導体材料の世界市場を調査
―2026年世界市場予測(2021年比)―
■半導体材料(30品目) 444億ドル(29.1%増)
・・・5G通信やIoTの普及に伴い、半導体の微細化、高層化が進み市場拡大
●フォトマスク 78億ドル(39.3%増)、フォトレジスト 30億ドル(57.9%増)
・・・先端プロセスでEUVタイプの採用が増加し拡大

総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済(東京都中央区日本橋 社長 清口 正夫 03-3241-3470)は、次世代通信、AI、クラウドサービスなどの普及に伴い半導体の需要増加が確実視される中で、半導体製造工程で使用される主要な材料の世界市場を調査した。その結果を「2022年 半導体材料市場の現状と将来展望」にまとめた。

この調査では、半導体材料を前工程と後工程に区分し、前工程材料25品目と後工程材料5品目、加えて、デバイス5品目の市場動向を調査分析し、将来を展望した。

◆調査結果の概要

■半導体材料(30品目)の世界市場

 

2021年

2026年予測

2021年比

前工程

311億ドル

401億ドル

128.9%

後工程

33億ドル

42億ドル

127.3%

合 計

344億ドル

444億ドル

129.1%

※市場データは四捨五入している

2021年は、半導体不足が深刻化し、様々なエレクトロニクス製品の生産に影響を及ぼした。

2022年は、新型コロナウイルス感染症の流行による巣ごもり需要がひと段落し、半導体の不足は徐々に緩和するとみられる。ノートPCやゲーム機、家電製品などの特需は落ち着きをみせるが、5G通信やIoTの普及により通信インフラとしてのサーバー需要は底堅く、引き続き半導体の需要増加は続くとみられる。

今後は、サーバーやノートPCなどの需要増加に加え、半導体の微細化、高層化といった要因が前工程材料の需要増加を促すとみられる。また、3D-IC積層実装の実用化により後工程材料の付加価値化が進み、市場は長期的に拡大すると予想される。

工程別でみると、前工程材料では先端ロジック半導体の微細化や極端紫外線リソグラフィー(EUVL)プロセスの増加に加え、レガシー半導体の需要増加が続き、フォトレジスト、フォトマスクが好調となっている。また、3D-NANDの高層化が続いており、特に高アスペクト比の深孔加工に使用されるHFCエッチングガス、硫化カルボニルなどの伸びが顕著である。2023年から2024年にかけて200層以上の超高層3D-NAND型フラッシュメモリーが登場するとみられ、中長期にわたって高層化に関連する材料が市場拡大に貢献すると予想される。

後工程材料ではウエハーの投入枚数および面積の増加により、バックグラインドテープやダイシングテープの需要増加が続くとみられる。一方で、3D-NANDの高層化によりウエハー投入枚数の増加はやや抑えられると予想され、ダイアタッチフィルムの伸びは鈍化するとみられる。PC向けFC-BGA(Flip Chip-Ball Grid Array)基板の需要増加でパッケージ基板銅張積層板材料が好調だが、2022年以降はPCの成長鈍化を受けて、スマートフォンやデータサーバー向けが増えるとみられる。

◆注目市場

●フォトマスク

2021年

2026年予測

2021年比

56億ドル

78億ドル

139.3%

半導体製造工程のシリコンウエハー上へのパターン形成時に使用するフォトマスクを対象とする。

2021年は、先端半導体からレガシー半導体までの幅広い線幅でフォトマスクの需要が増加した。また、タイプ別では、EUVマスクはこれまで先端半導体向けが中心だったが、2021年より複数のメモリーメーカーがDRAM製造に導入したことで需要が増加し市場は拡大した。

2022年以降も、半導体需要が増加することで、市場は好調が続くとみられる。タイプ別では微細化による需要増加に伴う位相シフトマスクの増加や、バイナリマスクが先端品向けに高精細製品が開発され採用が進んでいるほか、EUVマスクは先端ロジックで採用数が増加している。

●フォトレジスト

2021年

2026年予測

2021年比

19億ドル

30億ドル

157.9%

ウエハー上にパターン形成を行うフォトリソグラフィ工程で使用される各種の感光性材料を対象とした。

2021年は、先端分野に加えレガシー半導体での需要が旺盛であり、市場は拡大した。タイプ別ではg線・i線、KrF、ArF、EUVのすべてのタイプで需要が増加し、中でもEUV用レジストの増加が著しかった。

2022年以降は、先端プロセスではArF液浸レジストからEUV用レジストへの置き換えが進むことにより、市場は大幅に拡大すると予想される。また、中長期的にはロジック・メモリーの中間配線層では、KrF用レジストからArF用レジストへの切り替えが進むとみられ、大幅な市場拡大が予想される。

●シランガス

2021年

2026年予測

2021年比

7億ドル

12億ドル

171.4%

半導体、FPD、太陽電池などの製造過程における成膜工程で用いられるモノシラン(SiH4)、ジシラン(Si2H6)、テトラエトシキシラン(Si(OC2H5)4、以下TEOS)を対象とする。

モノシランは2022年以降、巣ごもり需要に伴うPCやモニターの特需で好調だったFPD向けが落ち着くとみられるが、DX、次世代通信、太陽光発電の導入推進が加速することから、シリコン半導体や、太陽電池向けが市場をけん引し拡大が予想される。

ジシランはメモリーや先端ノードが14nm未満のロジックといったシリコン半導体用途で、DXや次世代通信の推進に伴うシリコン半導体の需要増加や、微細化の進展に伴うトランジスタの構造変化などにより、2022年以降の市場は堅調に拡大するとみられる。

TEOSはメモリーやロジックといったシリコン半導体やFPD向けが中心である。FPD製造工程ではその一部であるLTPSパネルで使用されるにとどまるが、シリコン半導体ではDXや次世代通信の普及進展による半導体向けの継続的な増加に加えて、3D-NANDの高層化によるチップあたりの絶縁膜が増加することから、2022年以降、市場拡大が予想される。

●高純度洗浄液

2021年

2026年予測

2021年比

29億ドル

35億ドル

120.7%

半導体製造における洗浄工程で用いられる高純度薬液の内、過酸化水素水(H2O2)、安水(NH4OH)、塩酸(HCl)、硫酸(H2SO4)、フッ化水素酸(HF)、リン酸(H3PO4)、硝酸(HNO3)を対象とする。

高純度薬液は主にベアウエハー洗浄、プロセス(RCA)洗浄、エッチング、レジスト剥離に使用される。2021年は旺盛な半導体需要を背景に、ウエハー投入枚数が増加したことに加え、微細化や回路パターンの高密度化、配線の多層化によりプロセス洗浄用途で需要が増加し、ロジックではウエットエッチング回数の多いレガシーノード半導体の需要が増加したことで、市場は大幅に拡大した。

2022年の市場の伸びは2021年に比べ鈍化すると予想されるが、今後は5G通信の普及や加速するEV化、データ通信量の増加などが半導体需要を底上げするとみられ、それに伴い市場は拡大すると予想される。

●CMPスラリー

2021年

2026年予測

2021年比

14億ドル

18億ドル

128.6%

半導体製造における、CMP工程で用いられる研磨用スラリーを対象とする。

2021年は、データセンター用途などで底堅い半導体需要に加えて、デバイスメーカーや半導体商社による在庫の積み上げが進み、市場は大幅に拡大した。プロセス別では3D-NANDの高層化でWプラグ用やILD用が好調なほか、DRAMでのCu配線工程の増加がプラス要因となった。また、バルク材ではCoなどの新材料の採用が増加し、一部の製品では高付加価値化が進んだことも市場の拡大を後押した。

2022年も引き続き半導体の需要は旺盛であることから、市場は堅調に拡大すると予想される。なお、市場拡大の阻害要因としては、チップの小型化による配線層の薄膜化やCoバルクの採用増加によるバリアメタルの需要減少などが挙げられる。しかし、今後も微細化や高層化の進展によりCMP工程数が増加するとみられ、市場は中長期的に拡大していくと予想される。

◆調査対象

前工程材料

・シリコンウエハー

・フォトマスク

・フォトレジスト

・レジスト現像液

・アンモニアガス

・シランガス

・Low-k材料

・High-k材料

・メタルプリカーサ

・六フッ化タングステン

・プロピレン/アセチレンガス

・PFCエッチングガス

・HFCエッチングガス

・硫化カルボニル

・塩素系ガス

・臭化水素

・三フッ化窒素

・フッ素混合ガス

・高純度洗浄液

・イソプロピルアルコール

・CMP後洗浄液

・CMPスラリー

・CMPパッド

・ターゲット材

・バッファーコート膜・再配線形成材料

 

後工程材料

・バックグラインドテープ

・ダイシングテープ

・ダイアタッチフィルム

・パッケージ基板用銅張積層板材料

・封止材

デバイス

・モバイルSoC

・サーバーMPU

・NANDフラッシュメモリー

・DRAM

・CMOSイメージセンサー

 


2022/06/06
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